昨日は夜遅かったから朝もゆっくり、とはいかない。 なぜならば今日はパリ祭だからだ。フランス革命の発端となったバスティーユ襲撃とその一年後の建国記念日が起源の祭りらしい。そんなことは全く知らずにパリに行く計画を立てていたわけだがアルナウドから「13nichi yoru kara 14nichi yoru made wa furansu no kuni no matsuri desu」という連絡が来て始めて知った。
アルナウドは3時間くらいしか寝ずに朝から今日の準備を開始。朝飯は男2人らしく余ったパンを立ちながら適当に食った。彼は40を越えているが遊びに本気だ(いやいや多分仕事にもね!笑)ということで朝から2人で冷凍ピザを焼いたりお菓子を詰めたりと準備していると買い物に出かけるアルナウド。帰ってくると段ボールにワインを5本くらい持って帰ってきた。1つずつ嬉しそうに掲げると「これはピザに合いまーす」「これは女の子が好きな甘いわいんでーす」「これはワインでは無くてリンゴのお酒でーす」と説明してくれた。ということで2人でワイン6本とピザ4枚とタルトやケーキが入った大きい箱1つとコップやお菓子もろもろを持って出発。このバイタリティは尊敬する。
最初に向かったのは劇場。どうやら今日は特別に本格的なフレンチコメディーの劇が無料で見られるらしい!太っ腹だ!ということで11時から並び始める。並んでいると日本人女性が少しづつ集まってくる。アルナウドが事前に知り合いに声を掛けていたらしい。やるじゃねーか!アルナウド!笑
空では航空ショーが行われていたり騎馬隊が道を歩いていたりまさに町を挙げての祭りだ。シャンゼリーゼの方では大掛かりなパレードがありオランド大統領も話をするらしい。
並んでいるとおもむろにピザを出し始めるアルナウド。え?今ここで?アルナウドはお構いなしに「半分は夜、半分は今食べましょー。ピクニック。」と周りの目を一切気にせずピザを切ってワインを入れ始める笑。最初はフランス人はこういうものなのかーと思ったがどうやら周りの人の目を見ているとそうでも無いらしい。アルナウドは僕たちを楽しませてくれようと必死なのだ!ありがとう!
他にも知ってるグループが並んでいるから、と列を離れてピザを持っていくアルナウド。テンション上がって全然知らない女性に話しかけてドン引きされてもアルナウドはくじけません。僕の人生の中であんなに誰かがドン引きされる瞬間に初めて立ち合いました。更に、係員から会場にアルコールなどは持ち込めませんと言われてもアルナウドはくじけません。これは持ってきた大量のワインが持ち込めないという死活問題。預かってもらえるわけでは無く廃棄になるらしい。しかし彼は近くにいた友人にピクニックの会場まで持って行ってもらうという手法で困難を潜り抜けました。
そして遂に入場。コメディー劇場とは言えど造りはとても立派だ。
僕は音楽とかも混じったミュージカル的なのを想定していたが完璧に劇だった。とても有名な演目らしい。ということでフランス語なので全くわからねー。アルナウドこれはきついよー笑。ということで大半は眠り目を瞑って会場の雰囲気を楽しむことに注力しました。終わった後の会場の雰囲気がとても素敵で一枚だけパシャり。
会場の外ではでっかいシャボン玉を作るパフォーマンスや本格的な音楽を聞かせてもらったりした。
さてさて次はピクニック会場に向かう。会場は昨日封鎖されていたエッフェル塔の隣の公園。夜が本番の様で昼間はまだそこまで人は多くなかった。
エッフェル塔が綺麗に見えるど真ん中の席をゲットー。
僕は内容も時間も何も知らずに場所を取って待っていたのだがすったもんだした結果ピクニックには参加できずにこの場所でクラシックのオーケストラと花火を楽しむことになった。しかもフランス語を勉強をしている大学生のゆきこちゃんと2人で\(^o^)/パリの中心で大学生の女の子と2人で花火を見るとかおじさんにとってなんとラッキー過ぎるシチュエーションなんだ笑
日も落ちてくることには人口密度が半端じゃなく、トイレに行くのもままならないくらいになっていた。オーケストラが開始すると盛り上がる人々。僕は全く知らないのでゆきこちゃんに教えてもらう。中には聞いたこともある曲やフランスの国家など。タワーはライトアップで色々な姿を見せてくれた。
そして23時から花火!正直言って、タワーの向こう側で幾つか花火が上がるだけだろーくらいに思っていた。すいません舐めてましたm(_ _)mフランス人のいわゆる"センス"には完敗です。まず花火はタワー自体にも仕掛けられていたし、何よりも「花火」「ライトアップ」「音楽」の組み合わせが日本人のそれとはまったく違う世界を見せてくれた。ダイナミックさで行ったらやはり日本だが素直に僕が今まで見てきた花火の中で一番きれいだった。花火中の音楽はクラシックから今の若い世代の音楽まで。この花火を見に来る価値もある、くらいのレベル。
あっと言う間に30分ちょっと経ってお開き。終始盛り上がっており言葉がわからない僕でもフランス人が自分の国をこよなく愛している事がヒシヒシと伝わってきた。アルナウドも「フランス人はフランスが好き、誇りでーす」と言っていた。日本人でそこまではっきり言える人は中々いないのではないか、というか好きとか嫌い、という基準で考えることがそもそもないかもしれない。島では無く、陸続きで周りには他国に囲まれており、また移民を沢山受け入れているフランス。国民も多種多様で外国及び外国人との触れ合いの機会は日本人のそれとは比べ物にならないと思う。その上で母国を愛する気持ちがここまであるのは素晴らしい。ちなみにアメリカの独立を祝って自由の女神を送ったのはフランスで、パリにも小さ目の自由の女神がある。
ということでゆきこちゃんありがとう!お陰で1人で寂しく見る花火じゃなかったしパリという地において最高の思い出になったよ!
僕は途中ではぐれたアルナウドとは連絡の手段が無かったので自分で家に帰ると「楽しかったですかー」と笑顔で出迎えてくれた。そもそも日が沈んで暗くなるのが23時とかなので帰るころには余裕で日付が変わっていた。今日も楽しかったーけど疲れたー笑。明日は6時起きです。。。そして明日はフランスに来た最大の目的を果たしに行きますzZZZZZZ。
追記:書き忘れていたんですが、祭りの帰りにはメトロの改札が開け放たれていて無料で乗れるようになっていました。この粋な計らいはお金云々でなく嬉しかった。