(すみません、初日で書き残しておきたいことが多く、長くなりました。)
一昨日の晩はお隣さんの相当大きいいびきで寝るのに手こずった。
これはドミトリー形式の宿に宿泊するときの宿命とも言えるし、耳栓もしていたのだがそれをも貫通する激しいいびきだったなぁw
昨日は平和な夜を過ごしてよく寝れました。
今日は自前で朝ごはんを食べる。
プラム好きなので果物が安いのは僕にとってめちゃくちゃ嬉しい!
残りのビスケットはお昼ごはん。ビクトリノックスさんは引き続き愛用中です。
準備の一環として、靴下を履く前にワセリンを塗りたくる。
これはマメ予防にとても有効と聞いている。
そして洗濯物。昨日の朝に洗ったのに曇ったり雨降ったりしていたせいで残念なくらいに乾かず。いきなりこうなりました\(^o^)/左右にTシャツ、正面に靴下とハーパン。パンツは流石に品格を保つために自重しました。今日到着したら干そう。
相方のジャスパーとアルベルゲのオーナーに挨拶し、8:00前に出発!!
あれ?僕は早速カミーノの道に乗る方向に進もうとしていたのだが、ジャスパーは反対方向に向かおうとする。あ、まだクレデンシャルとかもらってないのねw
ということで二人でカミーノ事務所に向かう。実はカミーノ事務所は坂の上にあり、初日で余裕も無さそうな僕は坂の下で待ってようかとも思ったが、旅は道連れだ。着いていこう。
一緒にいたおじさんと3人で教会に入り僕は2回目のお祈り。
おじさんはおそらく正式な形でのお祈りをしていたが、僕とジャスパーはやり方が分からず後ろでおじさんを眺めながらひっそりと旅の安全を祈った。ジャスパーも宗教無いらしいです。
おじさんと出発記念の写真をパシャリ。なぜかおじさんは僕たちにカミーノ目印を教えてくれてから、軽く手を上げて別の方向に歩いていった。どうやらサンジャン=ピエド=ポールからは別のルートも有るようですね。
え、いきなりキツっ。。。。
息も絶え絶えに登りまくります。
僕は出発前に調べていた"Buen Camino"というアプリを使っているのですが、これめっちゃ良いです。最初に自分が歩くルートをダウンロードしておけば、オフラインでも使えるのですが、ルート上の町間の距離やGPSを使ったマップ、高低差、アルベルゲ情報など必要な情報が確認できます。
そして本日は"Orisson"周辺まで行くので高低差は約600m。
これって登山する人からしたら大した高低差じゃないんですかね?僕にはめっちゃきつかったw
道は基本的に舗装されているが、まぁまぁな傾斜のところもあります。
ただ、少し登ると景色が素晴らしい。
景色でもある程度HP回復できる。
ジャスパーとの話で印象的だったのは「デンマークにも兵役が有るんだけど、僕はADHDと診断されて入団試験で落ちたよ!はははは!」「それは超ラッキーじゃねーか!はははは!」。人はそれぞれ色々なものを抱えているんだな、と改めて思います。
アニメも大好きとのことで話題は尽きませんでした。
歩いていると後ろからイケおじのイギリス人が歩いてきた。
カミーノ中の挨拶は"Buen Camino!"(おそらく「良いカミーノを!」みたいな感じ)なのだがジャスパーはかなり社交的で積極的に声をかけていく。そして
ジャナサンが仲間になった\(^o^)/
マジでRPGの世界。
ジャナサンは以前イギリスから歩いたことが有るらしく、2回目のカミーノ(と言っていた気がする)。投稿を見ていると結構スピリチュアル系の人なのかもしれない。
一緒に歩くと言ってもやはりペースは違うもので、坂が更に急になると2人はどんどん先に行く。でもこれで良いんです!僕もペース会わせるの大変だし。程よいところで待っててくれ、また一緒に歩きだす。
ある程度登ったところのカフェで休憩。
"Cafe con leche"というホットコーヒーにミルクを混ぜた飲み物がカミーノの定番っぽい。
このカフェでは水が汲めるようになっていた!
カミーノの道中ではところどころ給水ポイントがあります。
僕が飲んでいるのを見たジャナサンが「それは犬用だぞ!」と言ってくる。
言葉の壁で冗談かどうかの判断がパッとできないのが悔しいが、少し時間差で冗談だと気づきみんなで笑った。
イタリアの自転車マンも加わり記念撮影。チャリでこの登りはエグい。。
そして僕はここでみんなと分かれることに決めた。あまりに歩くスピードが違いすぎるのと、ジャスパーとジャナサンは今日中にピレネー超えをする予定とのことだが、僕は余裕を持って2日かけてピレネー超えをすることにしていたので、今日の目的地も違うのだ。
ということでSNSを交換して"Buen Camino!!"。
みんなが去った後もう少しだけ休憩をしていざ出発!!
前半で結構体力を奪われていた僕は後半はめちゃくちゃ休憩しながら歩きましたw
ただ、そういう人も少なくはなく、同じ人達と追い越し追い越されを繰り返しつつ進んでいく。
お互い息も絶え絶えだがすれ違うときは笑顔になるのが不思議だ。無言で励まし合う。
汗だくで死にそうになっていると、「コーヒー飲むか?」と4人組のオーストラリア人のおじちゃんたちに声をかけられた。4人でチルっており楽しそうだったのだが、少し自己紹介をして僕が日本人だということがわかると、自慢げにブレンディのパックのコーヒーを見せてくる。日本のインスタントコーヒーは最高にクールだ!とお褒めをいただきましたw
笑顔でお礼を言ってBuen Camino。
途中少し下るところがあったのだが、これまでずっと自転車を押していたイタリア人の彼が一気に駆け抜けていくのを見ていると、Orissonのアルベルゲに到着。
ジャナサンとジャスパーはのんびりランチを食っていたw
僕みたいにピレネー超えを2日で行う人の多くはこのOrissonに泊まるっぽいのだが、最初にカミーノ事務所のおばあちゃんから、「Orissonの少し先のBordaの方に電話押して空いていたらそちらを予約したら良いよ」と教えてもらい、僕は1つ先のBordaホステルで予約ができていたので、ここはスルーで進む。
先程のOrissonもそうだが、このBordaも町中などに有るのではなくぽつんとぽつんと点在しているイメージ。自然豊かだし言うまでもなく静かでとても良い感じ。
チェックイン時間がまだだったので、外でストレッチをしたり、まだ乾いていなかった洗濯物を干したりして時間を潰した。
なんか猫に縁がある。
同じくチェックインを待っていた3人の台湾人と一緒にクッキーを分け合ったり、カヌレを分け合ったりして昼飯。左のマギーとキャサリンは母娘2人でのカミーノという素敵家族です!(台湾人は多くの人がイングリッシュネームを持っています)。真ん中のアンジョーも含めこのあと数日道中や町でめっちゃ会いますw
チェックイン時間になるとアルベルゲのオーナーがウェルカムドリンクをくれ、挨拶とアルベルゲの利用についての説明をしてくれる。
宿泊者によってはフランス語しか、とかスペイン語しか、ということももちろんあるのだが、このオーナーはなんと、フランス語、スペイン語、英語、バスク語の4つを喋れるという強者!かつては自身もカミーノを歩き、その後カクカクシカジカで現在アルベルゲを持つに至ることになったらしい。一度カミーノを歩き、人生が変わってカミーノで貢献をしたい、という人は結構いるらしい。恐ろしいカミーノパワー。
このアルベルゲは予約が必要で僕は前日に電話で予約していた。一人ずつ名前が呼ばれていくのだが、僕の名前が呼ばれたときに隣から「日本人ですか!」と声をかけられた。
それはオーバー60のケンさん。聞けば僕が今日スタートしたサンジャン=ピエド=ポールよりも100km以上も前のルルドというところから歩いてきたとのこと。ここには奇跡の泉が有るんだって。到着したときはフラフラになって倒れ込むかのように芝生に座り込んだケンさん。しかも予約をしておらず、「今晩は予約で一杯なので泊まれない」と言われてしまった。
ケンさんがなんとかお願いします、とお願いしているとオーナーがエクストラベッドの人に相談する、ということになり、エクストラベッドに寝る予定だった僕とハンガリー人青年のボガトに顔を向ける。
僕が(狭くなっても)良いよ、と言おうとするとその前にボガドが"I'm OK!"と言い、ケンさんも泊まれることになった。
説明が終わった後ケンさんと僕はボガドにお礼を言いにいったのだが、マジで良いやつですぐに3人で仲良くなった。ケンさんは日本語以外喋れず、宿泊に必要なサンダルを持っておらず、あまりにもフラフラで到着して予約もしてなかったので、正直なところ「もしかしてなんかやばい人じゃないか?」と思ってしまったが、過去の旅の話などを聞いているととてもおもしろく、改めて日本人でも色んな人がいるなぁ、と感じた。30代後半から旅に目覚めたらしい。このあとボガトとは丸3日一緒に歩きます。ケンさんともパンプローナまで毎日道中で会います。
宿は周りに町などなく、ぽつんと家がある感じであり、太陽光発電を利用していた。朝晩の食事付きで€35だったが、インフラや食料などの調達も考えると、このロケーションでのサービスなら高くはないだろう。電気節約のためにシャワーは1人4分と決まっていたが、意外と2分お湯が使えれば十分なことに気づいた。
夜ご飯のときには全員食堂に集合して自己紹介タイム。なぜか一番に指名されてしまったが、奇跡的にうまくこなせた感があった。アイルランド人、ベルギー人、アメリカ人、フランス人、スペイン人、ハンガリー人、韓国人、台湾人とかなりバラエティに富んだメンバーで面白かった。この自己紹介のはからいのお陰で結構打ち解けられ、同じタイミングでスタートした同期感が芽生えた。このあと僕が途中で休まなければ大体同じペースで同じ町に宿泊し何回も再開することになるだろう。
僕はケンさんへの通訳を任されたが、自分でも嬉しいことにネイティブの英語でなければある程度理解できたなぁ。
飯まではボガトが教えてくれたコヴァというスペインのカードゲームで遊んだ。
このカード、トランプと違うのはなぜか8,9がなく、Kも無い!ラウンド制になっているのは一時没頭したヤニブを思わせる。そしてやっぱ英語がクソうまいボガトによる説明はわかりやすかったなぁ。僕があまり上手でないことがわかるとおそらく簡単な単語を選びゆっくり喋ってくれた。
彼は学校の有る町でバーテンダーをしていたらしく、だからこそ学生相手でより英語を勉強したそう。ただ、彼はお酒が飲めないのでおすすめを聞かれたら適当に一番ベタなものを勧めていたらしい。w
飯はフランス料理とバスク料理のミックスということだが、ひき肉を使ったミートソースのようなものが絶品で、バゲットに付けたらいくらでも食える!そして日本の白米に載せたい、とケンさんと二人絶賛していた!!!ちなみに飲みきれないくらいワインも出してくれます\(^o^)/
一人真っ赤になったが、みんなと談笑して寝る準備。
スペイン人のご夫婦もコヴァってた。彼らは英語を喋らないので、昔の記憶を掘り起こしてスペイン語を喋っているうちに、少しだけ感覚が取り戻せたかも。
ちなみに21時でも明るいです。僕は少しだけ仕事をしなければいけなかったので、みんなよりも少しだけ後に床についた。
記念すべきカミーノ初日は盛りだくさんで終了。