疲れも溜まっているのか今日は1番よく眠れた。慣れない活動で体には若干の筋肉痛が残る。でも犬に追いかけられたりおとうさんと無駄なかけっこをしたり逃げるヤクを追いかけたりと何度か全力疾走をしたが幸いにも高山病の症状は出なかったな。あの怪しげな薬が効いたのかそれとも自分の体は4000mくらいまでは大丈夫なのか。先に荷物をまとめておく。
おかあさんの仕事を手伝っていると雪が降り始めた。一瞬で地面はうっすらと白くなった。5月も中旬だけどまだ降るんだね。おとうさんは雪が降り始めた時になんか歌を歌っていた。僕からしたら寒いし濡れるし嫌なだけだが彼らにとってはまさに恵みの雨・雪なのだろう。
隣の奥さんもやってきて朝ごはん。最後のヤク丼。またまた食い過ぎ+ミルクティーの飲み過ぎでお腹が悲鳴をあげてる
やはり天井の隙間から雪が多少入ってくるが大して気にならない。箸が地面に落ちても大して気にならない。食前に手など洗えなくても大して気にならない。乾燥ヤク糞を暖炉に入れるときに転がった糞が自分のヤク丼に少し乗ったところで大して気にならない。
ゆうきさんも今日一緒に別の家に帰るとのことでおかあさんが肉やらミルクやら大量にお土産を持たせてくれる。僕もミルクと首に巻く布を頂いてしまった。旅中の宝物が増えた!雪降りしきるなか家族と隣の奥さんにも入ってもらい集合写真。
この4日間のリアルな遊牧民体験は一生忘れないだろう。更に遊牧民というだけではなくチベット仏教という強烈なスパイスも効いている。本当に本当に来て良かった。最高の思い出だ。そして何よりも部外者の僕を受け入れてくれた家族(とお隣の奥さん)には心から感謝。
おかあさんと奥さんと握手をして別れを告げ、おとうさんの運転する車でゾルゲの町まで向かう。途中おとうさんのおかあさん家に立ち寄り、ヤク肉のおすそ分けをして少し休憩させてもらった。アンジから見たらひいおばあちゃんに当たるんだな。80くらいなそうだが本当に元気だ。元気の源は周りの人と自然とヤクだと思う。
実は僕はとても見たい動物がいる。パンダなんかよりもずっと見たい動物。それはチベタン・マスティフ。チベット高原を原産とする超大型犬で希少種である→NAVERまとめ。それをゆうきさんたちにリクエストしていたので町で探してくれていたようだ。ということで雪降りしきる中歩いて行く。そして見たのは!
あれ?ちょっとイメージと違うかも笑。勝手なイメージだとそこら中にいるイメージだったけど東チベットではそうでもないらしい。この後も捜索を続けます!
すでに家を離れてから2時間以上入っているが、gpsを見ていると昨日連れて行ってもらった湖からほんの10kmくらいの道を走っていた。距離的にはすぐ近くだが道が整備されていないのでグルーッッと悪い道を回り込んだ形。不便には変わりが無いがこのままのほうがあの地域がそのまま残る気がして悪くないと思った。自分が完璧な部外者なのに観光客としてこの地を訪れた。それなのにわがままだと思うがこの地のこの伝統的な生活がずっと残るといいなぁと切に思う。
そしてゾルゲの町に到着。明日のバスチケットを買うのを手伝ってもらってから宿まで連れて行ってもらい、おとうさん、ゆうきさん、アンジとお別れ。寂しすぎるよー\(^o^)/一生忘れないよー\(^o^)/
宿で落ち着き、早く寝たい気もしたがこの町で1つだけ見ておきたいものがあったので眠い体に鞭打って街に出た。やはりチベタンが多いが、観光を意識した街づくりはチベット風な中国の町といった感じだった。
あの草原ほどチュパだらけ状態を見られることはもしかしたらもうないかもしれない。
やってきたのは
ゴンパです!ゴンパとはチベット仏教において僧侶たちが仏教の勉強をする僧院。これから嫌になるほど見ると思うけどその先駆けだ。
入ってすぐに仏塔があり時計回りに回る人達。おばあちゃんをおんぶする女性、松葉杖をつくおじいさん、マニ車を回しながら歩くおばさんなど。
敷地は結構広く小さな城下町みたいな印象。やはり独特な形と金・えんじの色の組み合わせが魅力的。経堂のドアは閉まっていたが敷地内には僧もおり雰囲気を感じるには十分だった。
いやーすげー眺めだ。
鹿?東大寺の周りにもいるし仏教にとって鹿はなんか特別な意味があるのかもしれないと思って調べてみた。お釈迦さまは前世が大きな鹿の群れの王だったらしい。→丸投げ参照
町って言っても周りはやはり草原。
高台に登って景色を眺めている壁に沿ってズラーッとマニ車があることに気づいた。
通路を歩いていると休憩していたおじさんがそれじゃ逆回りだよと教えてくれた。そうか時計回りだな。じゃ始まりを探そうとそのまま反時計回りに歩くとなんと入り口にたどり着いた。外壁がぐるっと丸ごとマニ車で囲まれている形。
他の人に混ざって時計回りに歩き始める。
ところどころでこのようなでかいものがあり、こういうのはこの周りをぐるっと一周か二周回って先に進むらしい。
途中開けたところがあったので少し離脱して登ってみた。
右手で大きいマニ車を回しながら左手で小さいマニ車を回すおばあさん。
壁の周りを五体投地しながら進むおばさん。
ゆーっくりと歩いて一周30分弱。斜面に建っているので楽ではない。楽すぎたら徳も得にくそうですな。
最後にまた敷地内をふらふらしていると5人のえんじ色の小坊主たちがニーハオ!と話しかけてきた。日本と言っても通じないので漢字を見せるとおーマジか、みたいになった。子供達は興味津々でアイス食いながら僕を囲んでしばらくわいわいやって去っていった。途中で写真撮ってもいい?と確認するとうち2人くらいがカメラを見た瞬間に袈裟で顔を隠した。そうかー、いやか。ごめんなー。
帰りましょう。
4日ぶりに中華料理を食う。やっぱ間違いないな中華は。
宿に戻り4日ぶりにシャワー、洗濯を済ませた。寝る前にこの4日の写真整理を始めるとあまりの量にゾッとした。そして相変わらずLINEが使えないので更にゾッとした。
ほどほどのところで4日ぶりのベットに入り最高だった遊牧民体験の日常を終えた。
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