朝日で目覚めるつもりがこういう日に限って起きると9時前。朝飯を頂く。相変わらずミルクティーうんま!!一泊二日の想定で荷物をまとめ、バックパックは部屋に置かせてもらい出発。まずは水2Lを購入。
天気良いぞ!最高のトレッキング日和で暑がりの僕はジーンズ、Tシャツで少し汗ばむかなーというくらいの温度。
この町外れの草原がまず美しい。
散歩してるおじさんに遭遇。川の向こう側に住んでるらしい。
目を細めて山を見るとどこにでも白、茶、黒の家畜が視界に入っていることに気づく。
後ろを振り返るとさっきのおじさんは脇道に逸れており、お互い手を上げて挨拶をした。なんかそういうの田舎の雰囲気でいいねー。川の向こうだからあの家かなー。あ、でも幾つかあるな。
自分が気に入った場所に家建てるんだろうな。ポツンポツンと家がありその周りには家畜が放牧されている。
さぁ進もう。
1時間くらい歩くとチケット売り場に到着。英語は全く非対応だがどうやらテントを持ってるのか?と聞いているらしい。コルサイ湖の湖畔に宿があると聞いているのでそこに泊まると必死に伝えるがニエト(ノー)の一点張り。もしかしてまだ冬季だから閉まってるのか?ということで1日分の入場料らしい725テンゲをお支払いし、ノートに名前などを記入。いやー、泊まれないの残念だな。日帰りでどこまで行けるかわからないけど行ってみるしかないか。
そうなったら少しだけ早足で行こう。
羊や牛は今までいろんな国で沢山見てきたが馬も放牧されてるってのが素敵。草原を馬の群れがじゃれ合いながら駆けてる。遠くて写真撮れなかったのが残念。
前からやってきたジープが停車しパトロールしてるっぽい警察官がぞろぞろと出てくる。悪いことは全くしてないがやはり緊張が走る。1人の若い警官だけ英語を喋ったので職務質問みたいなのをされパスポートを見せる。VISAが無いじゃないかと言うので日本人は無しで入れると説明。最後にコルサイ湖のすぐ先はキルギスとの国境だから気をつけるようにと注意を受ける。そしてコルサイ湖はI、II、IIIと3つが川で連なっているのだがIIから先は道がないから、とも教えてくれた気がするけどよくわからなかった。ふー、何も無くて良かった。
手頃な岩を見つけて腰掛け、りんごとナッツで腹ごしらえ。最高なトレッキングだなー!先に言っておくと最終的にサティに帰るまでに他のトレッキング客は1人も見なかった。まだオフシーズンなんだなー。
89km地点がコルサイⅠ。とりあえずそこを目指す。
歩きながら地図を見て時間配分を考える。本当はコルサイI近くの宿に泊まる予定だったがそれが無いとしたらIで引き返すのか、それともIIまでチャレンジしてみるのか。サティからIまでは14km、IからIIまでは7km。って事はIIまで行ったら片道21kmか。往復で42kmってのは体がきついけどもう1つ、日が暮れるまでにはサティの町に戻らなければならない。IIまで行くのはきついかなー。
すると急に怪しくなる雲行き。日が届かなくなり上着を着ないと寒くなる。
Iに到着するところ直前は連続した上り坂。まだ食料も飲み物も沢山残っているのでそれなりに重くてちときつかった。木の生えてるところと草だけの所の違いは何なのだろう。
そして湖到着!!
曇っとるやないけ!!あと二時間早く出ていればと後悔。特に水物は青空との相乗効果でかいよね。ってか湖凍ってんじゃね?笑
すぐ手前には例の宿が。バンガローみたいになってる。確かに人気が皆無だなー、と思ったが1番奥に一台車が停まっており玄関のあたりに上着らしきものがかけられているのが目に入った。
もしかしたら泊まれるんじゃない?とも思ったが気になるのは天気。アルマティを出る前に天気予報を確認すると天気予報①だと明日から若干雨、天気予報②だと明日まで晴れで明後日から雨となっていた。僕は②の方が信頼していたのだが今日からこんな曇ってたらどうやら怪しいな。やっぱ素直に日帰りにしよう。
しばし見晴らしの良いベンチに腰掛け日が射さす事を期待して待ったが、たまに覗くものの期待薄。記念撮影して下りる。こうやって見ると大分髪の毛伸びてるな。
湖のすぐそばに一台車が停まっているが中に人は居なかった。僕は抜かされてないのでもっと早くから来ていたってことだ。もしくはここらに住んでる人なのか。
湖の色めっちゃ綺麗じゃん!深さで色が何段階かのグラデーションになってる。パタゴニアのちょっと白濁した感じとは違いプリトヴィツェがこんな感じだったなぁ。水の透明度が高ければどこでもこうなるのかな。それとも他の条件も噛んでるのかな。
IIにも繋がる湖の脇道を進み程よいところを見つけて二回目の腹ごしらえ。今日中に帰ると決めた以上節約する必要も無く寧ろ荷物を軽くしたかった。そしてここで登場するのが蜂蜜\(^o^)/アルマティの市場で買ったやつね!
そして朝出発前に厚かましくもパンと蒸した芋を分けてもらったので楽しみにしてた蜂蜜をパンに塗ったくって頂く。あー!幸せ!!
するとまさにガサガサという物音がしたので振り返ると1人の手ぶらのおじさんが出てきた。正直ここまで人気が無いところで人に会うのって嬉しい反面ちょっと怖さもあるよね。こんなとこで何やってんだろうってのとここで襲われて誰にも助けてもらえないなってところ。
おじさんにナッツをおすそ分けして2人で湖を眺めていると今晩うちに泊まらないか?というジェスチャー!来たーーー!!!漫画的展開!恐らくさっきの車があった家だろう。確かに天気は気になるけど明日日が差したら湖が見られるっていう一縷の望みをかけて泊まらせてもらうか。3000テンゲと言われたが2000テンゲにまけてもらった。そいえば入り口で一日分しか払ってないけど、まぁいいか!
と言うことなら根性入れて今からコルサイIIまで足を伸ばしてみるかと思っておじさんにコルサイII行ってくるわ、伝えると「俺も行こうと思ったけど雪で行けないよ」と言ってる気がした。残念ではあったけど諦める口実としては最強でもあった。
じゃあIの周りブラブラしたら家行くねーと言って歩き出す。ここでも残った雪が所々で道を泥濘ませていた。
白いところは上から見てもどうなってるかわからなかったが石を投げてみるとめり込んだのでやはり氷だ。ここはそこまで寒く無い気もするんだけどなー。
そしてIから逸れる辺りで雪が急に増えてきた。こりゃやっぱ駄目だな。
諦めて出島みたいになってるところで昼寝。ちょっと寒かったけど飯食ったあとなので気持ちよく寝られた。
目覚めると17時前。家に向かう。到着した時に見た車のある1番奥の家に到着するとやはり電気が点いており声をかけると女性が出てきた。さっきのおじさんの奥さんか。バンガローの方が客室かと思いきや家の中の4ベッドドミ部屋。暖房器具もあるしいいじゃないか!
美味しい夜飯も頂き、旅中の写真を見たいというので見せた。日本からここに来てるだけでそれなりの金があるのは間違いないのに更に色んな国に行ってるとなると更に金持ちに見られてしまうので色々な意味で自分からは写真を見せないようにしている。
奥さんは良いね!というリアクションだったがおじさんの方はうーんーと唸る。多分、余りにも自分とは住む世界が違うように感じてしまったのではないか。やはりあまり見せるものではないのかな。こういうのって難しい。
現在ここらにいるのはこの2人だけらしい。なんでか聞き出すことはできなかったけどなんか言えない過去があるとか子供ができないとかなんか心に闇でもあるのかなーとか勘ぐってしまう。しかし今は奥さんは妊娠中であることがわかった!良かった良かった。家には無線機が置いてありサティの村とやり取りをしているようなのでもしかしたら管理人的な位置づけなのかもしれない。
テレビも無い、ここでの生活はやはり暇らしく2人でトランプをしたり読書をしたりして過ごすらしい。電線は通っており、火はガスで起こすことができる。水は湖から取ってくるのかな?もちろん家の中の物は多くはなく必要最低限の暮らしだろう。でも2人の仲の良さ、幸せさはちょっと見ただけですぐに伝わってくる。なんとか聞いてみると子供の時からの知り合いだと照れながら答えてくれた。
今の所湖自体の景色はそこまでではないが、田舎町のサティを見られて、そしてこんな秘境に住む夫婦の生活を少しだけ覗かせてもらって、それだけでここまで来た価値は大いにあった。日が暮れてからトイレに出ると照明はこの家から漏れるものだけ。周りも見事に山に囲まれている。しかし残念ながらまだ空には薄い雲が被っており月がぼんやりと見えているだけ。明日は光が差し込む湖を見て帰りたい!
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