家に戻りおかあさんに拾ってきた米を渡すととても喜んでくれた。おかあさんはヤクを更に解体中だった。謎の臓器とか脳みそとかタンとかは中々エキサイティング
休憩してまたヨガやるかーと思っていると間髪入れずにおとうさんがこれを着ろ!と自分のチュパを着させてくれた。
やはり着物と通じるものがあると思う。重ねて帯で縛った懐にはモノを入れられる。袖はかなり長く指先から15cm以上余っているがそういうもののようだ。良い写真↑↑
それを着たまま再びバイクに乗りやってきたのは馬のレース場!!今日は練習ではなくレースがあるらしい!どこにでもコース作れそうだな笑
広がる草原にそれぞれ馬を繋げて番を待っている。中には旗を掲げた車もおり、恐らく他の地域からの参戦なのだろう。
有るのか無いのか分からないようなロープで観客席と区切られている。多くの若者がバイクで駆けつけていた。
やはりチュパを着ていても外国人の違和感は拭えず、逆に変にチュパを着ているので周りの人に怪訝な目で見られたがおとうさんはおかまいなし。部外者なんて僕以外一切いないからねこのあたりで。みんなと会話できたら本当に楽しいんだろうなー。おとうさん「似合ってるよー」と言ってそうな顔。
レースでは多くの人がチュパを着ているが競馬のジョッキーのような服を着ている人もいた。もちろん勝者には賞金が出るのだが競馬のように周りの人も勝手に賭けをしたりするらしい。馬にまたがる前には体重計で騎手の体重を測っていた。そこらへんはちゃんとしてんのか。
競馬だとスタート時は各馬がレーンに入ってスタートと同時にゲートが上がるじゃん。もでここにはゲートなんて無い。だから全ての馬がなんとなく整ったら担当者が声をあげてスタート。多少前に出過ぎてるとか真正面を向いていなかったとかは関係無い。どんなに馬に慣れていても中々些細な取り扱いは難しいんだなーと感じた。長い時だと全ての馬が整うまで15分以上要していた笑。あと一頭が前向くのを待ってる間にせっかく揃っていた他の馬のうちの一頭が前に出ちゃうとつられて他の馬もバラバラと動いてしまいまたやり直し。
ゴールに関してはもちろん電光掲示板など無いのでよく見とかないといけない。一応スマホも持ってゴールラインに立っている人がおり、ムービーを撮っているようだった。多分VTR判定用だろう。
やはり顔なじみばかりのようでおとうさんは若者達と気さくに会話を楽しんでいた。にしてもレースがイマイチ盛り上がらない。観客のテンションがなんか低い笑。でもみんな飽きることなく見ている。娯楽が少ないというのと共に、賭けの他になんとかさんちの次男坊が出るらしいよ、とかそういう楽しみもあると思うのだが純粋に馬を見るのが好きなのかもしれない。
僕は正直1レース見たら飽き気味だったがおとうさんが友人との会話楽しんでるし全く帰る様子を見せないので結局3時間くらいいた笑。1番最後には今までのレースの勝者達で決勝戦があった。決勝戦だけあってまぁ若干の盛り上がり笑。ちなみに結構皆普通にタブレットとかスマホ持ってた。
そして僕的にレース以上に面白かったのはかっこよくチュパを着こなすチベタン男児達をたくさん見られたこと。
さて帰るか、とバイクで走り始めるといきなり「降りろ!」とバイクを停めるおとうさん。訳がわからなかったが僕を残して猛スピードで走り去るおとうさん。どうやら二頭の馬が逃走しているのを目撃したので助っ人に向かったらしい。放っておけなかったおとうさん。助け合いだ。僕はほっとかれたけど訳がわかった時はハートウォーミングでした笑
更に帰る前におとうさんの友人の家に立ち寄る。家主と暫く会話をするとおとうさんがここで飯食ってくか?と、言うが最後の夜だしおかあさんのご飯が食べたかったので断ることにした。おとうさんは「行く」「食べる」「ありがとう」はわかってくれるのでその3単語とジェスチャーでやり取りをする。
今日1日は丸丸僕に付き合ってくれたおとうさん。でもなんとなくだけどお客さんがいない日常で外に出るときも大して変わりない生活をしているような気がする。外で他の人のために何かをし、困っている人は放っておけない。親戚や友人をマメに 訪ねる。草原で昼寝をする。仏教の教えに基づいて生活する。3日一緒にいて少しだけおとうさん生き方、魅力がわかった。おかあさんが家での仕事をろくにしないお父さんに対して、文句も言わずを放牧自由に動かせているしているのも納得。
さぁ僕たちも帰ろう。
家に帰るとおかあさんがヤクを更に更に細かく解体している最中だった。
ヤク達を追い込みに行く。彼ら重そうに見えて意外と軽快に走り回る。やはりかなり愛くるしい。
動画もどうぞ。ちょこちょこと母ヤクについて来る子ヤク達がまた可愛い。そういえばヤクと牛のミックスもいるらしくゾというらしい。より大型化し強靭さが増すんだって。少しだヤクよりも気性が荒めだったかな。
今日はおかあさんが疲れているのを悟ったのかおとうさんが積極的にお手伝いをしているように感じ、なんか変に安心した。あばらや謎の臓器などをコトコトと煮込みつつ
リアル腸にネギを混ぜたミンチ肉を詰め込んでいく。ミンチ肉にはツォンパにも使っていた大麦の粉と煮汁を繋ぎのように使っていた。
おかあさんはまず息を吹き込んで腸を膨らまし、一端を結ぶ。おとうさんは別のぶっとめな腸にミンチを詰める。おかあさんの腸とおとうさんの腸を結合させて、握りながらおとうさんのぶっとい腸からおかあさんの細い腸をに肉を移していく。最後に反対側も結び完成!お見事です本当に。
それを先ほどの汁で煮たら完成ー。ヤク腸はかなり硬く噛み切るのはかなり大変だったが味は美味かった。おとうさんがパンのカゴを見て今日はそんなものしまっとけ!とおかあさんに言う。今日は昨日屠ったヤクに感謝をしてそれを頂く日だ。と言うことでお隣の奥さんもやってきて肉祭り。骨肉から取ったスープを始めとし、あばらの骨つき肉、タン、レバー、食道、ソーセージ、謎の臓器、などヤク肉バスケット。
食べるとすぐにどれかを切っておとうさんが寄越してくれる。レバーなども嫌な臭みは無かった。ヤク肉素晴らしいのだがさすがにここまでひたすらに食べ続けるとやはりきつくなってくる。若干の匂いも気になってくる。しかしこれは特別なご馳走なのだ。ありがたくかなりの肉を頂いた。
2歳にもならないアンジが両手に肉を持ち、どんどん脂っこい肉を受け取って口に運んでいるのには驚いた。おばあちゃんの背中でヤクを見続け、また逆に解体されるヤクも目の前で見ていたアンジ。寒さにも強い彼女は将来逞しく美しいチベタンになるに違いない。
最後になんと
ヨーグルト!もちろんヤク乳。おかあさんが今日の朝から発酵させてくれてたらしい。器に盛る前に少しだけかまどの中にヨーグルト入れてた。捧げもの的なことだろうか。まだそこまで発酵していないらしく、プレーンでも全然いけるが少しだけ砂糖を入れて美味しく頂いた。マジでヤク様々々々々。もう家畜という存在を超越してる気すらしてきた。
みんな満腹になり眠気が襲ってくる。こっちの人は食後すぐに寝るらしい。おやすみして歯は磨いたもののやはりあまりにも消化してなさすぎて横になれない。星空を楽しもう。改めてよく見ると昨日よりも澄んでいる。
我がさそり座もとても綺麗に見えた。元々モンゴルでは星空も楽しみにしていたのだがこれで大満足だ。
24時頃まで月が出ないので星が本当に綺麗。月が出たら出たで月の明るさに驚かされた。もしかしたらこの旅で星空チャレンジするのも最後になるかもしれないな。
さてテントでの最後の夜だ。
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