朝は鶏の鳴き声とチェイクのお祈りで目覚めた。7時前だったがまだ薄暗い。うっかりしていて夜ハーパンで寝てしまったため、足を数カ所蚊にやられていた。ダカールを離れるたらよりマラリアに気を付けた方が良いと聞いていたので少し反省。
約束していたお金を渡すと家族のためにあと〜くれないかと言う。昨日払った飯代を併せてもトータルでダカールの一泊の宿泊分もいかないくらいだろう。追加の金については、断るのが筋だったのかもしれないが、僕には断ることができず、その金も渡した。彼はこのシチュエーションに若干慣れているように感じたが、本当に世話になったし良い時間を過ごさせてもらった。でも断ることができないというのは表面上優しさに見えてただ単に僕の心の弱さなのかもしれない。一つ言えるのは今回に関しては追加で言われた分を払っても嫌な気はしなかったということ。日本人からしたら大した額では無いのだがやはりお金が関わってくる問題というのは気の持ちようが難しい。
すると昨日気に入って買ったバッファローのネックレスをもう1つくれ、更にお前この匂い好きだろ?ということで昨日火鉢に入れていた香料を土産用の小袋に入れて持たせてくれた。顔を洗い、コーヒーとタバコを少々嗜んでからガラージュに行きチェイクと別れた。
10000セフしかなかったが、そばで見ていたブティック店員が快く替えてくれた。ブティックの前に座りチョコパンを食っていると椅子を出してきてくれたり、2000セフ落ちてたけどお前のじゃないか?と聞いてくれたりマジで良い奴だった。
チェはアフリカでも有名らしい!
1時間近く待って7人集まり出発。初めてセットプラスで真ん中の列の席になったが後ろと比べるとだいぶ広く感じ、二倍くらい楽に感じた。運転手は道中の知り合いたちに手を振りながら進んでいく。
途中検問で止まった時に、乗せてくれよ!と言ってきた8人目。いや、正確には助手席に膝の上の子供を併せたら9人目。交渉は成立し、助手席の子供を二列目に移動させ、助手席に男が2人座る形となった。何よりもそれを認めた助手席の奴が凄い!同じ金払ってるからね。アフリカ人のおおらかさを見た。
後ろの人が何かを訪ねたみたいなのだが車内の3人くらいが同時に答えるので聞き取れず聞き返すがまた3人答える笑。面白いなーセネガル。
ウスイに戻ってきてアーリュの店に行き小休止。砂糖たっぷりのコーヒーと本日二個目のチョコパンを振舞ってくれた。今晩のうちに次の町エリンキンに行きそこで一泊しようと思っていたがそれを伝えるとアーリュが超寂しそうな顔をしたので彼の家で一泊して明日の朝エリンキンに向かうことにした。
今日は例のウスイの10年に一度という祭りのセレモニーがある日。僕の今回の遠征のメインでもある。セレモニーは夕方からということで、時間がたっぷりあるので町の周辺を散歩することにした。
町から出ると迷うことも無い一本道。
昨日カップでマフェを食ったときにチェイクも言っていたが、カザマンスは米の産地らしい。丁度綺麗な稲穂が見られた。
帰宅ですかー?
念願のウスイウェルカム看板の前で撮影。これで一つ達成した感がある。(トップ画はデビル君が滑り落ちてしまったtake1。)
僕の中で「セネガル」のイメージとは結びつかないようなマングローブと川を沢山通り過ぎていく。道の反対側はさっきの田んぼ。納得納得。
今日は日差しで汗をかくが、途中で休憩すればOKくらいの散歩日和。通り過ぎる車の中には乗っていくか?と止まってくれた車もいた。
のどかだー。カザマンス地方噂通り良いところだなー!収穫頑張ってー!
この景色を眺めながら少しだけ溜まった日記を書いた。 好きな音楽を流しながら変なところに座り込みスマホを覗く変わった日本人だが通り過ぎていく人々は手を上げて挨拶してくれるので声を上げて笑顔で返事をする。実は日記自体は滞っているが見た事感じたことはすぐ忘れてしまうものだと思っているので極力文章自体は数日以内に書くようにしている。アイスランドの一週間分も実は文章は終わってんだよなー、このカザマンス編の勢いで頑張りたいところ。
夕方にセレモニーがあるといっても何時からかは聞いてもよくわからない。おそらく誰もが何時からなのかという正確なことは知らないだろう。早目に切り上げ、12時回った頃に歩き始め町に戻った。
しばしアーリュの店に座って休憩。町で唯一のランアバウトを臨むところに位置する彼の店。
店の前で豆を売るおばちゃんは何かあるごとに「アーリュ、アーリュ!」と彼を頼りにしていた。
そしてなんとウスイ産のピーナッツを一袋くれた。千葉のピーナッツと重ね合わせて更に親近感アップ笑
一応体には気を使っているらしくこの葉っぱを水に浸してから飲むと体に良い言い、特製ドリンクを作った。ちなみにしばらく漬けた後の水を飲んだら青臭くてクッソまずかったです笑。そういえば2人で一緒に写ってる写真これだけだなー。カウンターのところで電話をしている人は何をするでもなく一日に数回ブティックを訪れてきて会話をし、しばらくすると帰っていった。
僕は木の枝で歯を磨くのに憧れており、一本ちょうだいと言うと彼の手の届くところにあった枝をくれた。もしかしたらなんでもいいのか?笑。でも繊維質で擦ると確かにツルツルになるし、細かいところにも繊維が入り込んで掃除できてる気がした。アーリュはめちゃくちゃ噛むので口の周り、というか顔じゅうにカスが飛び散っていたが、普通に磨いたり軽く噛むくらいならなかなか良いツールかも知れない。
そいういえば話は飛ぶが、ここウスイには王様が存在しているらしく、アーリュはもし機会があれば直接話せるようにお願いしてみるよと言ってくれたが残念ながらその機会は無かった。セレモニーにもいらっしゃらなかったからねー。
14時を回ると飯に行くということで一度店を閉める。布や民芸品など一度全て店内にしまって鍵をしないといけないので一苦労。到着したのは先日ジョンも連れてきてくれたところだった。今晩泊めてもらうし、と昼飯代を2人分出そうとすると、お前はゲストだから全部俺が払うと言って出させてくれなかった。
その後アーリュの家に行って2人で昼寝し、再び店に行き陳列をすませる。アーリュの店で飲み水を買おうとするとお前はゲストだって言ってんだろ、と金を出そうとしたのを少し怒られた笑。アーリュの家を出る頃から辺りが騒がしくなっていた。叫んでいる人や家族総出でみんなが同じ方向に向かっている。そう!遂にセレモニー始まるんじゃないの!?
僕はこれを見にここに来たと言っても過言では無いのでアーリュに早く行きたいというがまだ大丈夫だから一杯茶を飲んでいけと言い、店で20分くらいかけて丁寧に一杯のお茶を入れてくれる。アーリュに悪気は全然無いのだがどうしてもイライラしてしまう。
お茶を頂き1人でセレモニー会場に向かう。アーリュもジョンもセレモニーには行かないという。10年に一度と聞いて凄い熱狂するものなのかと思ったが興味無い人は無いんだな。アーリュに祭りの意味とかを聞いたがあまり知らなそうだった。
会場はメインストリートから少し入った広場。とても大きな木に抱かれたような印象の広場だった。
既にセレモニーっぽいのは始まっており真ん中に立つ棒の周りで太鼓を叩く人と回りながら踊る人と周りで見ている人たちに分かれていた。見ている人の中にはチラホラと欧米人の姿もあった。みんな楽しそうだなー
周りで見ている人たちの服がまた美しい。最近結構アフリカ布の虜です。
座って見られる観覧席もあり
さてさて中心で踊っている人たちに目を向けてみましょう。ここからは写真多めで!ちなみにですが実際この場にいて危険という雰囲気は皆無です!
真ん中では太鼓をたたく人
みんなそれぞれの鳴り物を持ってきていた。
頭に稲を載せている人もおり、豊作を祈るイベントなのかなーと推測。
いや、、あれ?色んなもん載せてる。笑
おばちゃんがパワフルなのは世界共通。
もう楽しければなんでもいい感じだな\(^o^)/そりゃそうだ!!!
たまに花火があがりその度に歓声が上がる。基本的に式次第的なのがあるわけではなくひたすら音楽を奏でて踊り続ける。
僕は山に入っていた人たちが戻ってきた時にセレモニーだと思っている。ある時急に真ん中から人がいなくなったので、お??新たなグループ帰ってきたか??と思っていると祭りはそのまま終わった笑。結局祭りの意味とか内容とかよくわかってないからね笑
周りで見てた人たちもあれ?終わり?といった感じで少しづつ散っていった。理解できなかったけどセネガルのウスイの祭りを見る、という目的達成!!
急いでアーリュのところに戻ることも無いので人がいなくなったので大木に腰掛けて人々を眺めていた。すると真ん中に残された楽器で遊び始める子供たち。やっぱこういう風に生活に根付いてるんだな。
即興で演奏を見せてくれた。
HONDA!写真撮らしてと頼むと嬉しそうに背中を見せてくれる。
ほら!後ろの大木に見守られてるみたいで良くない?
子供たちに別れを告げてアーリュの店に戻る。ここからは爆音でアフリカ音楽をかけ、店の前でひたすら茶を飲んで、話をして、ぼーっとしてを6時間くらい繰り返す。
ほぼ一日中店の前にいたのだが同じ人が何回も何回もやってくる。みんなアーリュに挨拶したあと僕にも同じことをしてくれるので嬉しかった。友達のアーリュの友達は自分の友達といった感覚なのかもしれない。日本は24時間のコンビニがあるが例えば中南米だとティエンダ、ここらへんだとブティックが点在しており、意外と朝早くから遅くまでやってたりするのでそこまで不便したことは無い。アーリュは昨日は深夜の2時まで店を開けていたという。
途中テイクアウトして来たんだとアーリュが夜飯を取り出した。昨日のマフェに続き食いたかったベルミセールじゃないか!簡単に言うと短いパスタ。食いきれない量準備してくれており満腹まで頂いた。
タイミングよく訪れた客がパームワインを持っておりアーリュがそれを僕に飲ませてやってくれとお願いしてくれたので試飲させてもらうと超絶美味かった!すぐに飲み干すと彼は嬉しそうにお替りを注いでくれた。上手く表現できないけどあの味は忘れないだろう。また機会があったら飲みたいなー!ちなみにアーリュはムスリムだから飲まないが、この町には教会もありクリスチャンも一定数いるらしい。
この時21時くらいだが店を閉めるまでまだ3時間くらいある。な、長い。お茶を入れてくれる。砂糖が本当に多いので最後の方はなんか腹の具合が悪い気すらしてきた笑。
茶を作っている間に客が来ても待たせる。そして歌い始めたりしてひと段落すると思い出したかのように客のところに行く。外でお茶をしていると知り合いが通り過ぎたりどこからか椅子を持ってきて隣に座ったりする。みんなと握手して挨拶を交わす。座った人にはアーリュが茶を淹れてあげる。店のかすかな明かりとバーナーの炎で僕の前ではジョンの白い歯だけが光って見える。ジョンとアーリュも友達だった。
正直余りにもこの時間が長く暇だーと思ってしまうのは僕たち日本人にとって普通なのかもしれない。この時間に読書したいとか日記書きたいとか考えちゃうよねー。でも小さい時から自分の部屋などなく家にいる間は常に家族と同じ空間にいる彼らにとってプライベートな時間という概念はあまり無いのかもとも思った。そしてメリハリも無く何も考えずにぼーっとしているだけに見えて、実は仲間と過ごすこういう時間を大切にしているのだろうとも思った。逆に言えばいつも繰り返される中に全くの異国から来た僕みたいな人間がスパイスとなって、もしかしたら僕だけでなく彼らにとって今晩は少しだけ刺激的な夜なのかもしれない。
2人で店を閉め家に帰る途中、アーリュは自分の夢を語り僕に手伝ってくれないかと頼んだ。家族で大学を出たのは自分だけだからみんな自分が何かするのを待っていると言う。セネガルでは未だに大学を出ていてもコネが無いと良い就職は難しいとも聞いた。アーリュは大学卒業後ダカールのホテルで働いたが家族が大切だからここウスイに戻ってきたらしい。自分が勉強してきた観光についての資料を見せてくれたりした。しかも彼は英語、フランス語、イタリア語、アラビア語ができるという。
僕ははっきりと断った。そういえば先日ウスイに到着してわざわざ宿まで送ってくれた人もビジネスパートナーを探していると言っていた。アーリュは残念そうにしていたがその後は何事もなかったようにそれまでと同じように明るく優しく接してくれた。厚かましいながら僕もなんだか少しだけ残念だった。彼の振る舞いを見ていると心からWELCOMEしてくれてるのは伝わったものの、その話で多少なりともの利害関係を感じてしまったから。昨日泊めてくれたカップの人にもやはりお金払ったしねー。現地の人とのお金のやり取りの無い交流って難しいなー!!
とか考えながら星空の見えるスペースで水バケツを浴びる。周りには明かりが一切ない為、空を見上げればかなり綺麗な星空が見えるが、体を洗うためにライトを使わないといけない。もちろん夜はそれなりに寒いけどやはりアフリカを感じているようで少しだけ楽しかった(-"-)長い長い一日の終了。
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