ということで師匠の下まるまる二日間みっちりと修行させてもらった。自分が知らない編み方から知ってはいたけど、こうした方がやりやすい、とか考え方のオプションをくれたり現場の最前線で実際の仕事を見せてもらったのは本当に為になったし何よりも楽しかった。宿に帰ってからも食事と風呂以外はずっとマクラメと向かい合っていた。そして本当にマクラメだけに集中していたので写真はほぼ無い。
パルケの屋台でハンバーガーを食い、朝9時に気持ちながらのお礼のジュースを持って彼の定位置に向かう。オラアミーゴー!と挨拶をして店の準備を始める。
師匠ヘラルドの新作。スタイリッシュだし色使いも好き。本当にべた惚れですから(笑)
陳列は彼のこだわりがあると思って手伝わなかった。
カテードラルも見える風通しの良い贅沢な場所での一日。
店が開いてからは二人でひたすら編む。僕が丸一日かかるものも彼の手にかかれば4時間くらい。日本のサイトなどで見ると1万円をゆうに超すようなものを30ドルくらいから売っている。こうやって朝の9時から夜の7時くらいまでひたすら考えて編み続ける。
二日半いたので近くで店を出している現地の若き職人たちとも顔なじみになる。みんな未成年で若かったが父親などから仕込まれているようで十分一人前に見えた。彼は革職人。お父さんと一緒に仕事をしていた。
彼はシルバーも操っていた。日本人は手先が器用だと言われるが小さい時から仕事道具や材料に触っている彼らの腕は尊敬に値する。
皆初対面でも僕の師匠のヘラルドの連れだ、とわかってくれるとアミーゴ!ととても良くしてくれ、一番ラテンらしさを感じた三日間だったかもしれない。道行く知り合いたちもお、生徒いるじゃん、みたいな感じで絡んでくれる。みんなで一緒に作品を見せ合ったり一緒に休憩して飯を食ったのは一生の思い出。
作業をしているとグアテマラで一緒だったゆうじさんとなおさんに追いつかれ(ほぼ同じルートだったから)、路上での再会。素敵な写真を撮ってもらった。最初の作業中の奴も撮ってもらった(隠し撮り(笑))やつ。
そして遂に二日半の修行も終了。昨晩折った折り鶴に感謝の気持ちを込めて渡し、facebookを交換して別れた。教えてもらっておいて偉そうだがここで彼に会えたのも何かの縁だな、と本当に思う。何の見返りも求めずに、常に気にしてくれて隠すことなく彼の技術を教えてくれた。僕も彼には返せなかったが求めてくれる人がいたら返す気持ちで教えてあげようと思う。
お陰で僕の中でグラナダという町はマクラメのイメージになった。
ヘラルドと別れるともはや馴染みのパルケの屋台でホットドッグを買って帰る。
ヘラルドは僕がずっと憧れていたけどなかなか踏み出すことができなかったいかつい系への扉を開いてくれた。しかしそれはメキシコで世話になった人たちから教えてもらった基礎があっての事。ヘラルドとは十分に言葉は通じないが今までの積み重ねのお陰で彼が一度実演してくれるとほぼ見て理解することができた。多くの恩人のお陰で良い趣味を手に入れたなーとしみじみ思う。
そして僕が作るのに憧れていたいかつい系の処女作がこれ。ヘラルドの技術と親切さと彼と共にした時間が染みついているとても大切な作品。名付けるなら「勇者のお守り」(相変わらず日本でウケるかどうかは別にして(笑))ここに踏み込めたお陰で初心者から中級者に上がりつつあるんでは無いかと勝手に思う。しかし写真だとわかりにくいが編み方が甘いところとか、デザイン的にも今一な部分はある。もっと経験を積んで一つ一つの作業を確実にしていけばもう1ステップ上れる気がする。夜に宿で作業しているときに欧米人たちが寄ってきてこれお前が作ったのか、とか売ってるのか、とか聞いて褒めてくれたのは本当に嬉しかった。
今日はゆうじさんとなおさんと同じ宿で、2人の手作り親子丼をご馳走になりました
何よりも日本人と会話するの、というか日本人と会うのが約10日ぶりだったのでそれだけで少しホッとした。そして僕は明日一足先に南下。とはいってもボゴダ→ブエノスのチケット一日違いで持ってるから確実にまた会う!一緒に居させてもらってもとても心地の良い2人です。また寄り道だったけど込々で本当に良い三日間だった。思いつきの寄り道は大抵充実してる。ということで明日は再びローカルバスでコスタリカの首都、サンホセを目指す。パナマからのボートもありそうだしそこまで焦らずにコスタリカ、パナマ見てきます。
P.S.グアテマラ出る時に折角荷物減らしたのにこの町でまた新しい色の糸を五種類買ってしまいました