DAY618①から続く
もちろんこんなところに交通手段は無いのでヒッチハイク。なんかこのエリアで外国人はヒッチしてはダメとかいう情報もあったが古めだったので真実はわからない。半袖に風が心地よい素晴らしい気候の中、待つのが全然憂鬱ではないヒッチハイク。
デルゲ方面に行く車の方が多く、30分くらい続けて一台の車に乗せてもらった。とりあえずニックも向かったマニカンコに行って昼飯を食うことにした。タダで当たり前かのように乗せてくれた優しいおじちゃん達。チベタンを見ているとたまにアンデスの方で出会ったインディアンを思い出す。なんかちょっと似てる気がする。
マニカンコはデルゲに行く時に通りがかり、少し気になっていた町。朝から何も食っていなかったのでまずは昼飯を食ってゆっくりと町の地図を眺める。場合によってはこの町で一泊してもいいと思っていたがそんなに見るものも無さそうだったので少しだけ歩いて出発することにした。めし屋のおばちゃんにバックパックを預かってもらい町に出る。
期待以上に民族衣装率が高い。やはり町は中国だけどねー。男の人はハット多め。
これは本当にのどかな町。
ゲテモノ売りのおじちゃんが少し休んで行けと椅子を出してくれた。出してくれたお茶は普通のお茶、だよね?
少し離れたところにゴンパ、チョルテン、綺麗なタルチョ群が見えた。
見事に山に囲まれた盆地の町。
大した見どころは無いけどスルーせずに立ち寄って良かった。
ここは僕が向かったデルゲ方面に向かう道とニックが向かった青海省へ向かう道との分岐点になる町らしい。これがその三叉路。思ったよりも栄えてない。
写真は撮れていないけど今までで1番子供たちが挨拶をしてくれた町な気がする。子供によってはハローと声をかけてくれた。そういえば少数民族には一人っ子政策は免除されていたらしく逆に人口が増えたらしい。試験とかでも優遇措置がなされたらしいよー。
満足!めし屋のおばちゃんに礼を言いバックパックを持って先ほどの三叉路へ。今日はもう少しガンゼ方面に向かったところで一泊することにした。バックパックを置いてヒッチを始めるとなにやら道端で刺繍をしていたおばちゃんが座りなさいと椅子を1つ譲ってくれた。いい町だなーここは!
そして意外とガンゼ方面に向かう車が少ない。ヒッチしてるところ見事に警官に見られたけどなにも言われなかった。別にいいのかもな。
外国人だとわかって好奇心で寄ってきたご近所の若い女の子たち。知っているほんのすこしの英語でどこに行くの?とか聞いてくれた。声をかけてきた男性はしばらく話すとしょうがないから俺が送って行ってやるよという。幾らか聞くと400元。なんかわからんけど中国に来て1番腹立ったわ。日本語でたけーよと声に出してしまった。確かに意外と遠いけど往復1時間くらいの距離だからね。
しばらくしても捕まらないので少し町から出ることにした。どうやらマニカンコに用が無い車が町をバイパスする道があるようだった。歩きながらヒッチを続けると男性2人が乗った車が停まり40元で乗せてもらえることになった。
高地でのトレッキングと移動疲れで寝ないようにしていたが我慢できずに爆睡。でもよく耳にした曲が流れていたのでそれだけは録音しておいた。未だになんていう曲か解読は未。とりあえずビブラート半端ない。モンゴルのホーミーと通じるところがあるような気もする。またチベット語のヒップホップも流れており個人的に結構好きだった。チベット生まれヒップホップ育ちの世代もいるのかもしれない。もしかしたら。
到着したのは大金寺(ターゴンスー)。ガンゼから西に30kmくらいのところ。実はニックから坊さんたちがやってる宿屋があると聞いてここにやってきた。暗くなる前に辿りつけて良かった。
ゴンパ周りは結構こじんまりとしている。
その宿泊施設のことはダラコングと言えば伝わるとニックから聞いていたので挨拶をしながらダラコングの場所を聞く。
するとゴンパの裏手の草原に出てきた。不安になるが聞いてみるとやはりあっているようだ。振り返ると素晴らしい夕日の景色。あ、これは本当に綺麗だ。
なんて贅沢なロケーションにゴンパ建てたんだろう。後ろの万年雪っぽい山も美しい。
そして草原にポツンと見えてきたのは(↓翌日撮った写真)
これがダラコング。入り口にいたお坊さんに一泊宿泊したいんだけど、と眠るジェスチャーをすると1人の欧米人女性を連れて戻ってきた。彼女は英語で私と同じ部屋だからと言うと部屋まで連れて行ってくれた。
相部屋の彼女はニュージーランド人のベッキー。彼女なんとチベット語を話せる。学生時代に仏教を学ぶため数年間チベット自治区の首都、ラサの学校に通っていたらしい。世界は広いな本当に。
夜ご飯一緒に食べようと誘ってくれ、食堂のようなところに行くとベッキーの他にドイツ人女性が4人いた。昨日来たという人もいれば1ヶ月以上滞在しているという人もいる。彼女らなんとここで仏教を学んでいるらしい。マジか!世界は広いなぁ本当に。もしかしたらロンプラかなんかにこの寺にくれば修行できるよーみたいに書かれてるのかもね。年齢は僕くらいの人から50代の人までバラバラ。
食事をサーブしてくれるのは尼さんたち。ドイツ人たちはチベット語は喋れないがベッキーと英語を通して通訳してもらってここの人とコミュニケーションをしているようだ。彼女らは明日アチェンガルゴンパに行くらしい。誘われたけど先日行ったし遠慮しておくことにした。
食後彼女らはどこかに集まって何かをするらしい。読経かなー?僕は近くに温泉があるというのでそこに行ってみる。この建物の裏を歩いて小さい橋を渡ったら崖がありそこから見下ろすと露天風呂が見えた。
崖を降りて温泉に行くと地元の若者3人が入浴中。事前にベッキーに聞くと人によっては全裸だったよと言っていたので全裸になりin!なんだかんだ3日シャワー浴びてないからな!湯温は若干ぬるめだけど全然入れる!悪くない!よく見るとコポコポと小さい泡が上がっているところがありそこに行くと気持ち暖かい。若干硫黄っぽい匂いしたかな。周りの石にもなんらかの精製物が付着していたので確かになんらかの成分が混ざっているのだと思う。
あー極楽だー。しばらくすると若者たちはおもむろに頭や体を洗い始めた。普通になんか泡立ってんじゃん!こん中で洗っていいのか!地元の人がやってるとわかったら僕も真似をして温泉の中で頭体を洗った。循環がいいのか湯は澄んでおり驚くことに小さい魚もいた。あれ?そう考えると温泉成分少ないのかな。
かなりさっぱりして部屋に戻る。そして僕は迂闊にもベッキーに「どうして仏教の勉強を始めたの?」と聞いてしまった。するとベッキーは眉をひそめてから「理由?私の父が仏教徒だからだけど?」と答えた。これは聞き方が迂闊だった。もっと他にあったろうに。僕の潜在意識の中に欧米人=仏教徒ではない、という方程式があったのだろう。質問からベッキーもそのことを感じ取ったんだと思う。彼女はにわか仏教徒の僕なんかよりもはるかに立派な仏教徒だ。
かなりアクティブだった1日。疲れと、温泉で芯まで温まったのもありここ最近で1番深い眠りについた。
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